こんにちは
Tokiです
「さよならを教えて」というゲームをやりました
「さよならを教えて」とは2001年にCRAFTWORKから発売されたエロゲで、キャッチコピーは「言葉、男、狂気、少女、さよなら」
さらに、パッケージには「現実と虚構の区別がつかない方・生きているのが辛い方・犯罪行為をする予定のある方・何かにすがりたい方・殺人癖のある方はプレイしないでください」と書かれています
このパッケージやキャッチコピーからわかる通り、鬱要素満載の作品です
私は、この作品に対してとても恐れと興味を抱いていました
だって、あのパッケージの文言で簡単に手が出ますか?
でも、このゲーム自体にはものすごく興味があってずっと手が出させないけどやりたいゲームでした
そして、つい最近ようやく踏ん切りがついてdlsiteで購入し、
クリスマスイブの日に全部やりました
やった感想としては、めちゃめちゃ面白かったです
まずテキストが面白いです
主人公の鬱屈とした精神状態をいろんな表現で表すのですが、言葉の使い方が巧みでついつい魅せられました
あと、主人公自体も面白いです
一貫しない行動、出まかせのような言葉、とらわれる妄執
本当に主人公なのかってくらいやばいです
テキスト読んでたらわかるんですが、ヒロインの何気ない言葉一つにめちゃくちゃとらわれて、それに対して決めつけのような妄想をしたり
自分でこうしようって決めたことも、簡単に揺らいだり
被害妄想が激しかったり
精神患者の末期です
でも、そんな内面は読んでてめちゃくちゃ面白いです
後ネタバレになるんですが
この物語は9割妄想です
具体的に言うと、主人公は自分が教育実習生として学校で勤務していると思い物語が進んでいきますが、
実は、主人公は病院に入院している精神病患者です
また、主人公がヒロインとして会話していく女の子は、大体現実に存在していません
屋上の女の子はカラスだったり、渡り廊下の女の子は猫だったりします
そんな感じで、主人公の妄想の中で話が進んでいくのです
そのようなことがだんだん歪なテキストからもわかってきます
選択肢を選んでも、その通りに主人公が動かなかったり
主人公に都合の悪い部分の会話は見えなかったり
あと、テキストだけでなくチャイムの音なんかも主人公の精神状態を表していて、物語が進むにつれてどんどんチャイムの音が歪んで聞こえるようになります
ここら辺は本当に精神的に怖かったです
ですが、主人公の妄想がどんどん壊れていくところは面白かったです
結局どんだけ都合のいいことを妄想してもどっかで綻びが出てくるんだなって思いました
最後にこの作品をできてよかったと思いました
主人公の妄想にすら満足に浸れない、かといって現実は彼にはつらすぎるからまた妄想に浸るしかない
そんな哀れな主人公に共感出来て面白かったです
現実でも、自分の思い道理にならずについつい理想の中に逃げ込みたくなる時はありますが、そんな時はこの作品を思い出していきたいと思います